
糖尿病・入院診療の意義
「口渇(のどが渇く)」、「多飲(水分をたくさん摂りたくなる)」、「多尿(尿量が多い、夜中に頻繁にトイレに起きる)」、「体重減少(しっかり食べているのに痩せてしまう)」は糖尿病の典型的な症状としてよく知られています。しかし、これらの症状は血糖値が相当高くならないと現れてこないため、ほとんどの人は症状がありません。症状がないからといって糖尿病を放置していると、やがて合併症がみられるようになります。
糖尿病の合併症には網膜症、腎症、神経障害があり(三大合併症といいます)、管理が上手くいかないと失明や人工透析、足壊疽(えそ)につながることもあります。さらに心臓病や脳卒中の発症とも深くかかわっているため、決して放置しないで糖尿病としっかり向き合っていく必要があります。
そのためには、糖尿病と診断されたら早いうちに病気について正しい知識を身につけ、病状に見合った治療法を開始し、血糖コントロールや合併症の予防に努めていくことが大切です。当院の糖尿病教育入院では、手作りのテキストと経験豊かな医療スタッフによる楽しい講義を通じて、糖尿病の知識と理解を深めることができます。また、管理栄養士による食事療法や理学療法士による運動療法の実際など、日々の療養生活に役立つ実用的な内容も短期間で無理なく学べるようにプログラムされています。
通常、1週間の入院期間内に治療方針が決まり、良好な血糖コントロールが得られたところで退院となります。退院後は教育入院のアフターケアとして外来通院に加えて、糖友会(糖尿病の患者会)の様々なイベントにご参加いただくことが可能です。
対 象
-
1. 新たに糖尿病と診断された方
2. 糖尿病についてもっと良く知りたい方 スケジュール
-
- 入院日は月曜日の午前中です。
- 退院日はその週の日曜日となることが一般的です。
- 1週間のなかで下記についてのレクチャーがあります。
(月曜日) (1) オリエンテーション (2) 運動療法について
(火曜日) (1) 糖尿病とはなにか (2) 自己血糖測定について
(水曜日) (1) 食事療法について (2) 合併症について
(木曜日) (1) 糖尿病のお薬 (2) 日常生活の注意点
(金曜日) (1) 食事療法(個人面談) (2) 検査と治療について
(土曜日) (1) 食事と運動のまとめ (2) 退院にあたって
(日曜日) 退院(病状により退院延期となることがあります)
費 用
- 約75,000円前後です。
用意していただくもの
-
1. ノート
2. 筆記用具
3. 運動靴(運動療法で使用します。なるべく履き慣れたものをご用意ください。)
4. A4ファイル(講義資料を保管するために使用します。)
5. カメラ(食事を撮影するために使用します。)ご不明な点などがございましたら、内分泌・糖尿病内科外来にお問い合わせください。
内分泌・糖尿病内科外来:049-276-1280