第62回日本糖尿病学会年次学術集会において、片山茂裕先生が坂口賞を受賞されました。

坂口賞は日本で最初に糖尿病研究を始めた故・坂口康蔵同学会名誉会長を記念して、わが国における糖尿病学会の発展、糖尿病学の進歩ならびに糖尿病に関する啓発、福祉に著しく貢献した人に贈られる大変名誉ある賞です。

片山先生は糖尿病合併症、特に糖尿病性腎症の早期診断や発症予防に関する数多くの研究や臨床に従事され、わが国における糖尿病性腎症のオピニオンリーダーとしてご活躍されています。2014年には、埼玉県における「健康長寿埼玉プロジェクト」事業の一環として「埼玉県における糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を確立し、糖尿病の重症化予防に精力的に取り組んでこられました。また、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」や日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」作成にあたり、糖尿病患者の高血圧の項目を執筆されたり、最近では評価委員を務められました。

また、1992年からは厚生省中央薬事審議会、現在は医薬品医療機器総合機構の専門委員を務められており、糖尿病領域の新薬の認可や有害事象のチェックをされ、医薬品の添付文書の改訂にも指導的役割を担われています。DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬発売時の低血糖やSGLT2阻害薬による血栓性疾患の発症、最近では免疫チェックポイント阻害薬による1型(特に劇症1型)糖尿病の発症の危険性について、添付文書の改訂を通じて警鐘をならされました。

これまでの業績や取り組みが高く評価され、この度坂口賞を受賞されましたことを医局員一同、大変誇りに思います。

片山先生、誠におめでとうございます。