第67回日本糖尿病学会年次学術集会(2024年5月17日~19日;東京国際フォーラム)において、野田光彦先生が日本糖尿病学会坂口賞を受賞されました。

坂口賞は日本で最初に糖尿病研究を始めた故・坂口康蔵 氏(日本糖尿病学会名誉会長)を記念して、わが国における糖尿病学会の発展、糖尿病学の進歩ならびに糖尿病に関する啓発、福祉に著しく貢献した人に贈られる大変名誉ある賞です。

野田先生は糖尿病に関する様々な臨床研究や疫学研究において中心的な役割を担い、数多くの業績を上げてこられました。近年では、厚生労働科学研究「糖尿病予防のための戦略研究(Japan Diabetes Outcome Intervention Trial; J-DOIT)」の課題2(J-DOIT2)において研究リーダーを務め、2型糖尿病患者の受診中断を減少させるために有用な介入方法について検証を進めてこられました。そして、この研究成果が基となり、「糖尿病受診中断対策包括ガイド」ならびに「糖尿病受診中断対策マニュアル」を作成・公開されました。この取り組みは糖尿病の二次予防(合併症予防)に資する成果として大変多くの支持を得ています。

さらに、2010年以降に刊行された日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン」(日本糖尿病学会 編・著)では評価委員長(旧 査読委員長)を担当され、2016年版以降、2024年に改訂出版された今回の「糖尿病診療ガイドライン2024」に至るまで評価委員会委員長と統括委員会委員を兼任でお務めになり、わが国における糖尿病診療の質のさらなる向上に長年にわたって大きく貢献されました。

このような取り組みやこれまでの輝かしい業績が高く評価され、この度坂口賞を受賞されましたことを医局員一同、大変嬉しく思います。これからも糖尿病の臨床・研究に関するオピニオンリーダーとして引き続きご指導いただければ幸いです。

野田先生、この度の受賞、誠におめでとうございます。